お風呂免許習得物語
<其の6>

ある朝。
【Q名人】
(日刊お風呂新聞を読んでいたが、急にそわそわし始める。)
「ちょっと、出掛けてくる。夕飯までには帰ってくる。飯は手抜きしないように。」

【み・住み込み見習い】
「はい。お気をつけて。・・・・・何処へ行ったんだろう。
新聞を読んでから急なお出掛けだったな。どの記事かな・・・・。
う〜ん・・あれ?これはもしかしたら、お風呂連盟の会長の写真かな。 すると、この横に写っているのは、会長のお孫さん・・・ 綺麗な人だな。美人だな。あぁ今、地元にいらしてるんだ。と、言うことは、名人は、お孫さん目当てに・・・。
うん。考えられる事だな・・・・まぁ、私は、勉強と夕飯の準備をしよう。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【Q名人】
「だだいま〜♪ 飯〜。」

【み・住み込み見習い】
「お帰りなさい。ご機嫌ですね。」

【Q名人】
「え? いや、そんなことはない。おかわりっ。」

【み・住み込み見習い】
「はぁ、相変わらず凄い食欲ですね。」

【Q名人】
「え? もぐもぐ。そう? 俺は、大食らいなのさ。」

〜〜翌朝〜〜
【み・住み込み見習い】
「おはようございます。あれ?名人どうしたんです?
昨日、食べ過ぎましたか?」

【Q名人】
「なんか・・・。  だるい・・・。  熱あるかな・・・。」

【み:住み込み見習い】
「湯冷めですか?」

【Q名人】
「うっ・・・。そんな馬鹿な。これが外に漏れたら1級挑戦資格を失いかねない失点だ。 湯冷めであってはならないのだ。お風呂は体に良い事づくめでならなければいけない。 湯冷めとは、お風呂後のケアが行き届いてない証拠だ。
俺は、ただの風邪だぞ。わかったか。断じて風邪なんだ。」
(外出先で風邪引いたのか?いやぁ、会長のお孫さんに逢えたし、話しも出来たし。 あの外出は収穫があったからなぁ。美人だなぁ。かわいいなぁ。 しかしこの風邪はやばいぞ。試験が迫ってるというのに。)

【み:住み込み見習い】
「私は、消化の良い料理を作ります。寝て下さい。早く治って下さい。心配です。」

【Q名人】
「うん。わかった。そうする。」

【み:住み込み見習い】
「あれだけ注目を浴びてる名人が体調万全で出場出来ないとなると、大変な事だ。 名人もまだまだ勉強もしなくてはならない身だし。私の指導もして欲しいし。
せめて精の付く食べ物を作って上げよう・・・出来た! 名人、出来ました。起きてたら食べて下さい。部屋に入りますよ。」

【Q名人】
「おう。」

【み:住み込み見習い】
「名人!何やってんですか!布団を頭からかぶって、パソコンにしがみついて!寝て下さい!」

【Q名人】
「や!」

【み:住み込み見習い】
「そんな事言ってないで。今日の日刊お風呂でも注目されてるんですよ!」

【Q名人】
「あっ、そうか。俺は注目の1級挑戦者だった。やっぱり寝るか。」
(会長のお孫さんに良いとこ見せるチャンス。期待してますわ。って言われたし。うふふ。)

【み:住み込み見習い】
「当たり前です。ここに料理置きますから。パソコンは私が終了させときますから。」

【Q名人】
「わかった。」

【み:住み込み見習い】
「あっ・・・!あれ?????ん?およよ?????」

【Q名人】
「どうした?」

【み:住み込み見習い】
「名人・・。どうしましょ。パソのデータが半分程、吹っ飛んでしまいました・・。」


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