4.入院

不安を抱えたままでは手術したくない。
100%の安心が得られる事はないでしょうが、事前にできるだけの事はしておきたいし、後悔はしたくない。
そう思って、こちらが調べた事をいろいろ先生にぶつけてみました。

抗癌剤で病巣を小さくできないのか、本当に全部取らなければならないのか、どこをどの位切り開いて
傷はどの程度残るのか、内部をどのように切除するのか、後遺症は考えられるのか、麻酔はどうするのか、
再生はできるのか、切除と再生手術を同時に行っている病院もあるがここではできないのか、全部切っても
乳頭は残せないのか・・・

葉状腫瘍は再発の可能性が高いし、検査の結果では正常な部分が全体の1/4程度しかないから、
そこを残すとかなりいびつな形になるのですべて取った方がいいだろう。
細胞診では良性か悪性か確定できないので摘出後、手術中にすぐ組織検査を行い、悪性の疑いがある
場合にはリンパ腺や脂肪組織も取るが、良性なら閉じる。
最終的な検査結果は1週間から10日後なので、最悪の場合は再手術もありうる。
手術時間は3時間程度で、全身麻酔を行う。
そして、切るのはこの部分(と図を描いて説明してくれた)
後遺症は特に出ないだろうが皮膚を切るのだから腕の運動機能に若干支障が出るかもしれない。
悪性が疑われる場合には切除範囲が広くなるので、その場合には影響が大きくなるだろう。
かなり肥大して皮膚が弱くなっている可能性も有るので、切除部分の皮膚がうまくつかないかもしれない。
その場合には別な皮膚を移植する。
乳房再生は当院ではやらないが、希望するなら紹介もできる。
方法は、シリコンなどを埋めることもできるが、最近では腹筋や背筋などを移植する方法が主流。
乳頭は、乳腺摘出後に皮膚として移植することも可能。乳腺を全部取るのだから残しても機能しないが。

乳頭は、乳房再生を行わない場合、何もない状態とそれがある状態では違いがでるだろうから、
残してほしい、という事を伝えて入院前の受診が終了。
手術の2日前に入院する事が決まる。

そして、入院後に改めてこの先生と話をして、すごさが判りました。

別な病院の形成外科の先生に連絡を取ってくれていた。
今回のようなケースで同時再建が可能かどうか、どんな切り方をしたら再建しやすいか、などを
問い合わせてくれたようだ。
切り方はどんな風にしても再建できるから、病気の治療を最優先に処置して構わない、と言われたのと、
乳頭を残すとしたらこんな風に切ったらどうか、というアドバイスを受けたということを教えてくれた。
さらに同時再建は過去には例が無いがやってみようか、という話もでたらしい。
しかし、悪いものなら悪いでリンパも含めて全部切る、良いものだと判っているならなるべく少なく切る、と
決まっているならまだしも、今回のケースのように、最初は良いものと言う前提で切り方も工夫して、
でも途中で悪いものが見つかったら方向を転換せざるを得ないし、最終結論は1週間後、と言うのでは
本人の負担もスタッフの負担も大きすぎるので今回は見送ろうという結論に達したようです。

セカンド・オピニオンを嫌がる医者が多い中、こんな先生もいるんだなぁ、と。


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