5.男の立場

元来、私は心配性でした。
それに加えて、システム屋という職業がらか、どうしても余計な事まで考えてしまう癖もあります。
日常からそんな具合なのに、今回の大事件。落ち着いていられる訳がありません。

せめて、彼女の前では冷静でいよう、そう思っても果たして実行できていたのでしょうか?

多分、無理だったと思います。
これが自分の事であれば、割と冷静に受け止められたと思うのですが・・・
しかし、こういった病気では、一番身近にいる男性が支えてあげるのが一番、などとの記述もどこかで
見かけたし、もちろん、「俺がしっかりしなきゃ」という思いは大きい。でも、自分の限界も知っていました。

おっぱいが一つ無くなる、そんな事ぐらいで何が変わるんだ?何も変わらないじゃないか。
本当にそうか? 絶対にそうだと言いきれるか?
彼女のほうがそれを気にして変わってしまったら? それでも支えていけるか?

病気の事を調べれば調べるほど、悪性の可能性が否定できない状況となり、私は更に苦しみました。
(ほとんど自爆!)
結局、市販の安定剤のお世話にもなってしまいました。

同僚には、病院に付いて行ったり休みを取ったりで迷惑をかけるかもしれないと思っていたので、
おおよその話はしてありましたが、日に日に険しくなる私の顔を見て心配してくれていたようです。

私の友人達も、彼女のことをもちろん心配してくれましたが、それ以上に私の事を心配してくれていました。

最終的に私の中では、
ぎりぎりまでは頑張ろう、でも決して無理はしないでいよう。
自然体で良いじゃないか。今は支えて行くつもりでいる、でも結果的に無理が出てきたらそれはしょうがない、
今から恐れてどうする? 何のためになる?
今は「もし…」に振り回されている状況じゃない。前だけ見ろ!
そんな風に考えました。100%大丈夫だと言えない自分を腹立たしく思いながら…

後に、彼女は私の友人に、私の事が心配だ、と話していた事を知りました。
自分自身の事でいっぱいいっぱいだったろうに・・・

男って、意外と弱いものですね。それとも、私だけがそうなのでしょうか?


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