7.経過

手術が無事に終わりました。最終結果は約2週間後。それが出るまでは、もう終わった事という前提で
退院に向けて準備を進めなければなりません。

点滴と、おしっこの管と、切除部分の血を抜くための管が胸部から腋下へ通っています。
自分自身の姿が少し情けなかったようですが、思いのほか元気そうです。
手術前に先生が、手術の中では最も痛みの少ない物の一つだよ、と言っていた通り、
あんなに大きな物を取り除いたのに、痛みはそれほどでもない様子。
傷よりも血抜きの管が当っている部分が痛む。

翌日からは食事も普通に出されるが、それがマズイらしい!
入院前から噂は聞いていたけれど、本当だったんだ・・
まぁ、食事のまずさが気になるって事は、本人が元気だと言う証拠でもあるか?

病院内を歩き回る、腕の上げ下ろしをする、それが当面のリハビリ。
腕の上がる角度を調べる紙が壁に貼ってある。
二日目でおしっこの管が取れる。五日目に血抜きの管が取れる。
リハビリのため腕を振り回しながら廊下を歩く姿が看護師の笑いを誘う。
八日目から抜糸が始まる。三十数針縫ってあるので数回に分けて抜糸。
十日目で抜糸終了。ずいぶんあっけない。いや、回復力がすごいんだろう!
リハビリも順調過ぎるくらい順調で、腕の上げ下げにも問題無し。
冗談半分で、「抜糸も終わったし、結果が出るのを待つだけなら退院しても良いでしょ?」
と先生に訊いて見たら・・・「そうだね、良いよ」・・・・なんと、十二日目で退院!?

そして検査結果を聞きに行く日がきた。結果は・・・良性! もう何もなし!

女性下着メーカのワコールで、乳房の病気により外見が変わってしまった女性のためにサポート用品を
売っている事を知り、問い合わせる。本人が直接行って、試着(?)し、自分にあった物を購入。
これで服を着ていれば見た目は以前と変わらない。

退院後の定期検診でも異常はなく、順調に回復。しかし、意外とケロイド体質だったのか、傷が広がる。
特に良く動かす腋の下当りがかなり突っ張っている。
その事を先生に話したら、皮膚を柔らかくする軟膏を処方してくれた。
(そんな薬があるなら、最初から出してくれれば良いのに・・・・)

半年後、検査の際に、エコーで怪しい反応が見えると言われ、
小さいものだから外来の手術で取ろう、と言う事になった。え? 乳腺は全部取ったのに再発?

再び、不安を抱えながら、手術。が、結果はどうやら脂肪の塊だったらしい。
体質的にそう云った物ができやすいようで、以前から何度か取っている。
ほっと一安心。
しかし、前の手術の傷から更に傷が別方向に延び、本人いわく「枝毛」になった。

あっけらかんとした性格だからか、はたまた私のケアが有効だったのか(?)、特に気に病む事も無く、
日々が過ぎて行く。退院後、1ヶ月で温泉デビューも果たし、もう怖いもの無しかな?

しかしながら、あるテレビ番組で乳癌の話が流れたのを見たとき、やはり乳房再建を考えてしまったようだ。
美容整形が保健が利かないのは解るが、病気で無くしてしまった人が再生するのはなぜ保険が
適用されないのか、どう考えても解せない。
また、その番組では内視鏡手術が紹介されていたが、医療施設や医者の技術の差によって、
受けられる治療に大きな違いが出るのも、考えてみればおかしな話だ。
何かのCMだったか、遠隔地にいる名医がネットワークを通じて手術をするシーンを見たが、
そう遠くない未来にはそんな事が可能になれば…そう思いませんか?


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