9.どうして…

予定通り、翌日退院して、今回は抜糸も無いので、摘出したものの検査結果を聞いて、良性ならそれで終了…
のはずだったのが、そうはいきませんでした。
摘出した場所のすぐ横に、新たな小さいしこりができたからです。
触診、エコーの結果、同じ物だろう、と。 二人とも、がっくりと落ち込みました、さすがに。
先生とも相談しました。 対応策は2つ。
改めて、全ての乳腺を取り除く手術をするか、出たら切る、を繰り返すか…
でも、前者は余りにも負担が大きいし、今後もう出ないかもしれない、という可能性と、また出るかもしれない
という可能性を考えたら、やはり都度対応するのが良いのではないか…

こうなることを恐れて、最初のときに全摘を選んだはずだったのに…
でも、実際に起こってしまったことはどうにもならないし、今からあの時点に戻ることは不可能。
今回のものは本当に小さいから、外来の手術で摘出可能だとか。

なぜ、こんなことが?
怒りにもにた感情が湧き上がり、抑えることが難しかったです。
彼女も、「自分が切り刻まれるみたい…」と涙を流していました…

最初の経緯の中で、二人は、こんな考えに落ち着いていました。
試練というものは、耐えられる量、大きさしか与えられないらしい。今回の病気は、二人で乗り越えられるから、
発病した。そして、周囲の人たちで、似たような状況になったら、自分たちの経験を生かせるようにしなければ
ならない。自分たちが真っ先にその立場になったのは、自分たちの「グループ」の中で、最も適任だったのが
私たちだったからだ、と。

少々、宗教じみてきたような気がしないでもないが、事実、それ以降、身近な関係の人たちの中で、乳腺に
関する病気が割と多く発生し、少なからず役に立つ場面はあった。

しかし、こんなに連続して発生することになると、さすがに精神的に参ってしまう。
でも、やはり取るしかない。 外来での手術を決めた。


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