10.Help!

手術の日を迎える前に、彼女が脅えた表情で、こう話し掛けてきた。
「別なところに、またできたみたい…」

触れてみると、確かにある。
素人判断がつくようなものではないが、今までのものとそっくりな感触だった。

無言でしばらく向かい合っていたが、彼女がポツリとつぶやく。
「もう、いや…」

何とかしなければ…でも何をどうすればいい?

とりあえず、病院に行き、診てもらうが、さすがに小さ過ぎて、まだ判らないという。
違う、という可能性もあるから、次回の外来での手術では、新たに見つかったものは取らず、
様子を見たほうが良いのでは?と言われ、その意見に従うことにした。

しかし、数日後、確かに大きくなっていることが確認できた。
どうする?

以前、友人が話していた数々の伝説を持つサプリメントのことを思い出した。
ダメ元で、それを入手。摂取すると、傷の治りが早くなるという話も聞いていたので、最悪でもせめて
そうであってくれれば…
しばらく通常の摂取量より多めに取ることにした。

そして、予定していた物の、外来での摘出。

摘出した物の検査結果を聞く数日前、彼女がすっとんきょうな声を上げた。
「なくなった…?」
確かに、無い。 なくなった? どうして? なんだったんだ??

今となっては、判りません。まったく別なものが、たまたま同じような時期にできてしまったのか…
同じ物だけど、いつのまにか、消えてしまったのか…

後日、前述の友人にその話をしたら、さも当たり前のように
「良かったね! 私も似たような経験をしてるから…」と言って、自分の経験を聞かせてくれたが、
(その内容がサプライズ! 聞いているこちらが固まってしまった…)
本当にそのサプリメントのおかげならすごいことだ。


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