■やまダラ特別編
 YAMADA・
 あくびの
 マタニティ日記編


タイトルに何のひねりもないところに現在の余裕の無さがあらわれていますね。ほげぇ。

やまダラ特別編
YAMADA・あくびのマタニティ日記 [2004.2〜11.2]



《○月×日》
とある日の朝。
相方・あくびの身体に新しい命の兆し。
すぐに病院で検査してもらい、兆しだったことが確定的になりました。
結婚して丸3年、2人きりなのをいいことに好き勝手にやってきた毎日。
その日々から大きくかわろうとしている、変わらざるをえないこの状況。
ちょっぴり楽しみ、ちょっぴりとまどい。

《△月×日》
病院に通いはじめて数ヶ月。
徐々にはっきりしていくエコー写真を見るたびに、すこしずつ実感がわいてきました。
そして、このエコー写真で嬉しいことが。

とある診察の日。となりの部屋からやけににぎやかな声が聞こえてくると思っていたあくび。
自分の番になってそれが判明しました。
なんと雑誌などで話題の、カラーで見られる『4Dエコー』のデモ機が来ていたのです。
お腹にいるうちから、両親どちらに似ているかまで判断できるぐらいの鮮明映像がウリのこのエコー。
映し出された映像は、当然それまでとは違ってクッキリハッキリと子どもの形を教えてくれました。
それまで金額が高いと拒否していたエコー画像のビデオ録画をしっかりちゃっかりと申し込むあくび。
会社から帰ってきたYAMADAもその映像を見せてもらって大興奮。
デモだけで終わらずに正式導入してくれることを祈るばかりでありました。

《◆月□日》
妊婦生活も安定期に入り、子どもができたらそうそう動き回れないと思って
あちこち動きまくるYAMADAしゅに〜&あくび。
特にあくびお気に入りの釧路和商市場には、市場のおばちゃんに顔を覚えられるぐらいに通うことに。

「だって、いつ行けなくなるかわからないんやで。これが最後かもしれないんやで」
「それ、先週も言ってたやん・・・」

《□月▽日》
病院主催のマタニティヨーガに通いだしたあくび。
地元ではまだまだ知り合いが少なかったのですが、この講座で仲良しさんが倍増しました。
そして、市主催の母親学級でこれまた仲良しさん3倍増。
同じ境遇にいることもあってか、打ち解けるのも早かったようです。

「お互いに情報交換も出来るし、ホンマよかったわぁ」
「で、今日はどちらに」
「情報交換を兼ねて、みんなでイタリアンパスタの店に・・・」
「・・・。」

意識的に身体を動かさないと家にこもりっきりになりがちな妊婦生活。
アクティブになることはいいことなのでまぁよしとしますか。

で、ちょっぴりおどろいたのが、陣痛の時に痛みをこらえるための「ヒッヒッフー」という呼吸。
あくびが先生に「こういうのってもう練習しておいた方がいいんでしょうかね」ってきいたところ、
「あー、今時そんなのやってないわよぉ」との答えが。
なんでも、そんなの練習していてもいざ陣痛になるとパニックになってそれどころじゃない人が続出だとかで、今ではこの病院では「大きく深呼吸」という方式でやっているとのことです。
たまごクラブ読んでたら、夫婦で練習して!ってよく載っていたから、あくびと練習するのもちょっと楽しみにしてたんだけどなぁ・・・。

《◎月△日》
先日の4Dエコーが正式導入。
聞くところによると、都会では1回撮るのに5千円前後の相場だそうで、興味はあるものの
なかなか手が出ないという人も多いとか。
ところがこの病院では、1回わずか千円という低価格。
その上、顔がはっきりと映らなければ御代は結構ですという良心的な内容。
うわーい!ビバ田舎!

実際にあくびも顔がハッキリ映るのには数回のチャレンジが必要となりました。
おなかにいる子どもの位置などに左右されるとのことで、
そう簡単には映らないとのこと。
そして、いよいよ大成功の日がやってまいりました。
モニターに映し出された我が子のはじめての表情。
感慨深いものがありましたなぁ・・・。

親族・友人などに見せた結果、目がおおきく見えるのであくび似という結論に。
この1枚を見た途端、これからやってくるまだ見ぬ我が子が愛しく感じられましたわ。

まだ見ぬと言いつつ、4Dエコーでしっかり見てましたな。
わはは。

《¥月@日》
毎回の検診であくびが気にしているのが、体重の変化。
普通は増えていく妊婦さんが多いなか、あくびはなんと体重減少を続けておりました。
「いや〜ん、妊娠ダイエットぉ!?」
ホンマにすごいよコレ。たしかにつわり時期はちょっと食べるの少なくなったけど・・・

「ウラ技あんねん。病院に行くたびに少しずつ服装を軽くしていくねん」

何しとんねん。

《※月△日》
母親学級に続き、両親学級に参加。今度はお父さんも参加であります。
まずは妊婦シミュレーターを装着して、妊婦の大変さを体験・・・とのことだったのですが、恥ずかしいのか誰も名乗りをあげないので、面白いコト好きなワシがさらしものになることに。
コルセットのようなもので身体を強く締め付け、胸とお腹におもりがたっぷり入ったエプロンを装着。
んぐっ・・・コレは大変。かなりの重量。その上熱い。
スクワットはかろうじてこなせる重さですな。

「あの、旦那さん、そういうコトはしなくてもよろしいです」

ホンマに妊婦は大変ですな。こんな状態で毎日毎日過ごしてるなんて・・・。
と思ったら、あくびがこっそりと耳打ち。
「シミュレーターはあくまでシミュレーターや。重さが全部胸とお腹だけに増えるわけちゃうから
 実際はコレとはぜんぜん別やで」
あ、そりゃそうだ。

その後、ダミーの赤ちゃん人形を使って沐浴のやり方を学ぶことに。
この赤ちゃん人形、首がぐらぐらしてるんですわ。首がすわっていない赤ちゃんそのもの。
人形だとわかっていても手でささえるのが怖くて怖くてこわわわわーん(アンジャッシュ(C))。
ホンマにこれ、15分以内で入浴させることができるんかいな!?
人形ひとつ入浴させるだけで汗タラタラでありました。

《#月$日》
妊婦はなにかと当たりやすいというジンクスを信じて、いろいろと応募しまくるあくび。
当たるわ当たるわ、市内のおいしいカツ屋さんのお食事券、市内のおいしいお寿司やさんのお食事券、市内の美味しい中華ファミレスのお食事券・・・って、お食事券ばっかりやん!
でもホンマに当たっちゃうのがすごいですな。
だけど、その運を少しでも宝くじにまわしてほしかったものよのう・・・。
1等当たったらワシ、会社辞めても生きていけるのに<おい。

《&月%日》
いよいよ臨月。遠出も控えるようにとお達しが出て、週末は近場で散歩をかねたお買い物。
一応の予定日は10月30日に設定されていたものの、当日になっても何の変化もなし。
少々拍子抜けしつつ、病院で週一の診察を受けたときに先生と相談。
11月4日までに何もなかったら、陣痛促進剤を使用しての計画出産ということになりました。
しかし、あくびは浮かない顔。

「11月3日は祝日やん。祝日って食事のメニューが豪華やねんで」

・・・この状況においてそんなコトが言えるのにちょっと安心。

《11月2日》
それは突然やってきました。
朝、トイレから帰ってきたあくびから、なにやら水のようなものが漏れてるかも・・・との報告。
素人判断はよくないので、ワシは会社に遅刻の連絡を入れて即病院へ連れて行きました。

「ヤマダさん、奥さん、破水が確認されました。このまま入院です。今日中に出産します」

うえええええ!!!きょ、今日!?!?!?!

あわてて会社に顔を出して状況を説明、自分の持っている仕事を同僚にふりわけて本日は欠勤に。
自宅に戻って入院の準備でまとめてあった荷物を抱えて再び病院へ。

出産準備室という部屋に通されると、そこには点滴を打って寝ているあくびの姿。
「あっ、もう帰ってきたんやぁ。先生から説明聞いた?」「聞いた・・・」
午前中は特別かわった様子もなく、病院から出された昼食もたいらげて余裕の表情のあくび。
しかし、本番はこれからなのでありました。

午後になり、2時をまわったあたりから陣痛の痛みが定期的におそってきた様子。
その度に、マタニティヨーガで習った姿勢と呼吸法で痛みをやわらげるあくび。
ワシも腰のあたりを指圧して痛み逃しの手助け。

1時間、2時間と時間が経つとともに、あくびの陣痛のペースも早まっていきました。
それでも、パッと見は余裕に見えるためか、病院の先生も「大丈夫だねぇ」という見解。
たしかに、となりの出産準備室にいる人は悲鳴のような声をあげている人ばかりなので、
呼吸法でこらえているあくびはまだまだ大丈夫に見えてしまいます。
あくびが言うには、「ここで一旦声を出してしまうと、もう我慢きかなくなるわ」。
根性あるなぁ。また見直したで。

6時をまわるといよいよ本格的な痛みが襲い掛かってきて、我慢しているつもりでも声が漏れるように。
担当の助産師さんの言葉に励まされて、マタニティヨーガの呼吸法を保ちつづけるあくび。
ワシもより力を入れて腰を指圧。

そんなことを何度か繰り返した後、先生の診察。
「ヤマダさん、もう子宮口全開です。分娩室に移ります」
いよいよ出産。ワシも清潔な青い衣服を着せられ、出産に立会う準備をしました。

***

出産は素晴らしいぐらいに順調に進み、わずか13分で赤ちゃん誕生。
先生も助産師さんもおどろくぐらいの安産で終了となりました。

***

これ以上ないぐらいの相方の苦しい表情。
これ以上ないぐらいの相方の頑張ってる表情。
立ち会ってるワシは途中で汗をふいたり、水を飲ませてあげたり。
そんな事しかできませんでしたわ。

後であくびに聞いたら、「それでも居てくれるだけでちゃうで」とのこと。
こんなんでも精神的支えになれたのなら、それでも良いですわ。
世の中の旦那さん、奥さんが出産する時はぜひとも立ち会ってあげてくださいな。
人生観変わります。決して大袈裟ではなく。



しばらく身体を休めたあと、病室に移ったあくび。

「あぁ、これで明日の祝日メニューに間に合ったわぁ」

・・・この状況においてそんなコトが言えるなんて、ホンマにすごいですな。負けました。

ちなみに祝日メニューは栗ご飯に野菜の天ぷらだったそうです。

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