J:COMで放映された映画をベースに、今まで観た映画、これから観たい映画を順次、整理し、並べてみます。ご活用下さい。
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ある日、百姓が地中から音がするのを不思議に思い、地面を掘り起こしてみると、ミイラが鉦を叩いていた。やがてミイラは正気を取り戻し、村人から仏の甦りだと奉られた。だがこのミイラ、仏道心のかけらもなく、あるのは性への執着ばかり。若い未亡人を欲情の限りに抱き続けて。
1973年7月10日フジテレビ系にて放映
円谷プロ製作の異色特撮シリーズ『恐怖劇場アンバランス』の第1話。1970年に製作されるものの、その衝撃的な内容からシリーズまるごと3年間お蔵入りになってしまう。特に清順だけが悪いというわけではないのだろうが、“失われた10年”はとことんついていなかったということか。ちなみにこのドラマ、清順の他にも、藤田敏八、神代辰巳、黒木和雄、鈴木英夫らひとくせある“映画監督”が演出を担当していたことでも知られる。
「女子ゴルフ界にスター選手を」と画策するゴルフメーカーは、抜群のスタイルと美貌を持つ・れい子に白羽の矢を当てた。れい子は恋人と共に猛特訓の末、トーナメントに優勝、大金とスターの座を手にする。しかしその栄光と裏腹に、世間のドス黒い嫉妬が二人を襲う。
『殺しの烙印』で「わけのわからない映画を撮る監督はいらない」と日活を解雇されて以来、鈴木清順が実に10年振りにスクリーンに復活した作品。故・梶原一騎が原案・製作を担当したことも撮影前から話題になった。このように皆が待ち望んだ新作ではあったが、結果的には失敗作の烙印を押されてしまい、興行的にもヒットしなかった。「観念的にではなく、魔女狩りの無残美を映像に定着させたい」と清順監督は語っている。
人の顔面に命中した弾丸は頭蓋骨の中で一周し、弾痕から再び飛び出してくる。事件の責任をとらされて刑事は辞職するが、ふとしたきっかけで銀行強盗犯らが隠した強奪金の在り処を知る。深夜、刑事がこの土を掘り返していると、穴の中から犯人の亡霊が出現して。
1979年9月23日フジテレビ系にて放映
TVドラマ『日曜恐怖シリーズ』の中の1篇。原作は土屋隆夫。10年ぶりの監督作品となった『悲愁物語』の雰囲気を残しながら、翌年に公開されることになる清順美学の集大成『ツィゴイネルワイゼン』の習作的な要素も認められる橋渡し的な重要作。2003年の回顧上映の目玉として、“角川大映スタジオの倉庫から発見された幻の一本”として公開されたが、それ以降パッケージ化も放送もされていない。
とある街で殺人事件が発生し、被害者に多額の借金をしていた男が容疑者として浮上する。彼は借金の担保にしていた唐三彩を壊されて、金の返済に苦しんでいたというのだが。
1980年12月25日テレビ朝日系にて放映
中国の美しい焼物をめぐり、中国と日本の戦前戦後にわたる陳舜臣原作の一大ストーリーが展開するミステリー。テレビ朝日系で放送された『傑作推理劇場』のうちの1篇で、『ツィゴイネルワイゼン』が公開された1980年のクリスマスに放送された。撮影には黒澤明監督『影武者』の斉藤孝雄があたっている。
士官学校教授の青地と友人・中砂は、旅先で芸者の小稲に出会う。1年後、結婚したという中砂を訪ねた青地は、中砂の妻・園が小稲に瓜二つで驚く。しかし、園は幼子を遺して死んでしまう。しばらくして青地が中砂邸を訪ねると、死んだ園が赤ん坊を抱いているので驚くが、それは小稲であった。
内田百けんの『サラサーテの盤』を、田中陽造が現実とも幻想ともつかない不思議な世界を彷徨う物語として見事に脚色、鈴木清順が独特の美学で映像化した傑作。東京タワーの足元に建てられたドーム型テントの移動映画館・シネマ・プラセットで上映され、96,000人を動員、異例のロングランを記録したことも話題になった。日活を解雇されてから13年、本作でキネマ旬報ベスト・テン1位を始め、数々の映画賞を受賞、鈴木清順の新たな時代の幕開けとなった作品。
新派の劇作家・松崎は、偶然にも妖艶な美女・品子と3度も出会ってしまう。そして二人は一夜を共にするが、そこが松崎のパトロン・玉脇の部屋と全く同じであることを発見する。品子との心中をそそのかす玉脇を逃れた松崎は、奇妙な芝居小屋・陽炎座へと導かれる。
『ツィゴイネルワイゼン』でその才能を大きく開花させた鈴木清順が、同じスタッフで泉鏡花の同名原作を映画化。「フィルム歌舞伎」とも呼ばれた奔放華麗な色彩美と、迷宮のようなストーリーは前作を遥かに凌ぐもので、清順美学の決定版と評価される作品。主役にはアクション・スター、松田優作を抜擢。実は以前から鈴木清順の大ファンだった彼は、本作で新しい一面を見せた。
とある大物弁護士が、付き添い看護婦・真弓に「別れた夫を殺してあげる」という言葉を残して病死。そんな矢先、その言葉どおりに真弓の夫が何者かに殺されてしまう。当然の如く、真弓に嫌疑がかかるのだが。
1983年11月8日日本テレビ系「火曜サスペンス劇場」にて放映
一見して気がつかない場合が多いが、実は大物映画監督が撮っていたりして、ファンにとってはかなりのお宝作品が埋もれている2時間サスペンス。回顧上映でもビデオでもまず見ることは叶わない。
一人の男がトラックを運転していると、その前に現れる日傘の女。女人禁制のトラックに、女は盲目のふりをしてまんまと乗り込んでくる。花見に行くという女に男は興味を持ち、トラックの幌の中にある秘密を明かすのだった。そして、幌の中には満開の桜の大樹が。
『陽炎座』を完成させた後、鈴木清順が桜の満開を追い、秩父、小淵沢、河口湖、御殿場などに約30日間オールロケを行い、ビデオで撮影したもの。桜の花の持つエロティシズムを、花泥棒である男と、桜の化身の女に託したファンタジー調の作品。ラフォーレ原宿で催された鈴木清順展で上映の後、2003年に劇場公開されるまでほとんど陽の目をみなかった作品。
ルパン三世、次元、五右エ門、銭形警部、峰不二子らおなじみの面々が大暴れする劇場版アニメ第3弾。バビロニア文明時代に作られたという黄金のバベルの塔。この財宝に目をつけたルパンとその一味は、手掛かりとなる燭台を入手しバビロンへと向かった。だがそれを嗅ぎつけたニューヨーク・マフィアのボスと銭形警部が、ルパンを追いかけ。
鈴木清順唯一のアニメーション作品。TVシリーズ『新ルパン三世』で監修を担当していた清順は、続く『ルパン三世 PARTⅢ』でも1話だけ脚本を担当する。その『PARTⅢ』のスタッフで製作されたのが本作で、清順は吉田しげつぐと共同で監督を務めた。作品の出来もよく、劇場版ルパンでは宮崎駿監督『カリオストロの城』と並ぶ傑作である。
悪夢に取り付かれた夢二は、湖畔の村で駆け落ちを約束した恋人が来るのを待っていた。その村で妻を寝取られた男が、寝取った男と妻を殺して逃亡中だと聞く。そんな時、夢二は殺されたはずの人妻と湖上で出逢い、知らずに逢瀬を重ねてしまう。
『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』に続く、鈴木清順監督の“浪漫三部作”の最終編。美人画家で知られる竹久夢二をモデルにした作品で、芸術家ゆえの苦悩に悶え苦しみながらも、紙風船のように軽やかに色香を漂わせる男を、沢田研二が見事に演じている。他にも、宝塚のトップスター・毬谷友子の映画初出演や、坂東玉三郎の初の本格的な男役、映画監督・長谷川和彦の俳優デビューと、豪華にして話題性に富んだ出演者たちが登場した。また、「これはアクション映画」とは清順監督本人の弁。
昔、津軽に弘前高等学校があった。そこには社会主義運動、恋愛、喧嘩など青春の武勇伝や失敗談が沢山あった。第2次世界大戦に突入し、この高校からも多くの学生が動員され死んでいった。そんな戦争も終わり、一人の朝鮮人学生が下宿先を探していたが、どこも受け入れてくれない。友人が奔走するも、数ヶ月後、青年は故国に帰ると言い去って行く。
これは、鈴木清順自身が青春時代を過ごした、旧官立弘前高等学校の同窓会用に作られた非常にレアなビデオ作品。2003年、『木乃伊の恋』『穴の牙』『春桜 ジャパネスク』と共に劇場公開された。監督自身が同級生からエピソードを集め構成したもので、恋愛があり、怪談があり、様々な清順作品のエッセンスが詰まっている。『けんかえれじい』のようなおおらかなユーモアと、青春期特有のリリシズムにあふれる作品。
青年実業家の雅彦はオーストラリアで自称・お嬢様の絵里に出会い、互いに惹かれ合うが、実はお嬢様というのは真っ赤な嘘で。他にも、昔の恋人を忘れられない女と彼女を見守る男の話など、結婚をテーマに、長尾啓司 鈴木清順 恩地日出夫等、巨匠監督と豪華キャストを集めて製作された3本立てのオムニバス映画。
売れない役者・尚也は、嫁にしたいNo.1女優の華子に結婚を申し込まれる。人気獲得のため、尚也は婚約を承諾するが、華子の申し入れも人気役者・井上との不倫を隠すための偽装結婚だった。事実を知った尚也は解消しようとするも、式当日を迎えてしまう。そして華子の代わりに高校時代の後輩が現れる。
鈴木清順が、オムニバス映画『結婚』3作品の内の1本を担当。他の2本に比べ、スラップスティック調のコメディ仕立てになっている。
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